リスクアセスメント|建設安全の実践

リスクアセスメントの客観性&主観性

リスクアセスメントでは、現場や機械に、潜んでいるハザード(危険限:危険有害要因)を探し出し、発生するだろうと思われる災害の頻度(確立)、発生した場合の被害の大きさをあらかじめ予測し、見積もります。安全基準(これが問題:安全とは許容できないリスクが無い事)に達していない場合はリスクの軽減措置をします。そして、再度リスクアセスメントを実施し基準を満たしているかを確認します。

皆さん考えたことがありますか?
建設業でのリスクアセスメントは主観的な尺度で考えられています。

段差というハザードがあり、躓いて転倒し骨折する。

客観性の導入

リスクアセスメントは個人で行うのではなく、チームで話し合うことが主観性を抑えることになります。また、発生可能性はデータを残すことで、各社の発生確率を計算で出すことができます。一度、ご検討ください!

1)重篤度(被災の程度)の区分と評価の点数
重大性 点数 災害の程度・内容・目安
致命傷 10 死亡、失明、手足の切断等の重篤災害
重傷 6 骨折等長期療養が必要な休業災害及び障害が残るけが
軽傷 3 上記以外の休業災害(医師による措置が必要なけが)
軽微 1 表面的な傷害、軽い切り傷及び打撲傷(赤チン災害)
2)発生の可能性の区分と評価の点数
可能性 点数 内容の目安
確実である 6 かなりの注意力を高めていても災害になる。
可能性が高い 4 通常の注意力では災害につながる。
可能性がある 2 うっかりしていると災害になる。
ほとんどない 1 通常の状態では災害にならない。

具体的な危険予知活動には=詳細なリスクアセスメント

リスクアセスメントの具体的事例

具体的な事例で考えていきます。
下の絵のような、グラインダーによる災害は頻繁に発生しています。
ではグラインダーを使う場合の作業手順書を振り返り、それに伴うリスクアセスメントを行いましょう。

リスクアセスメントの具体的事例イラストリスクアセスメントの具体的事例イラスト

確認項目 確認内容 リスクアセスメント
使用する
グラインダーの確認
周回転速度の確認 ・使用する刃より遅い速度か
早ければ刃が破損する危険
使用する刃の確認 集回転速度の確認 ・使用する機械が刃の速度より
早いと刃が破損する危険
使用前点検の実施 刃の締付け具合
異常振動の有無
・締付けが悪いと破損の原因
保護具の確認 ゴーグル
手袋
・異常振動は刃の破損の原因
・埃、塵が目に入る
・軍手が回転工具に巻込まれ
グラインダー
作業時の姿勢
両手で支える
切断時には補助
ハンドルを使用
・片手使いで反動で体に当たる
・ハンドル未使用で反動でに跳ね返る
刃は使用面以外
作業禁止
使用面の理解 ・使用してはいけない面を
使用し刃が破損ずる危険
電工ドラムの
許容内使用
電工ドラムの許容
(1500w)
・電工ドラムよりグラインダ
3台使用でドラムより発火

このように、グラインダー作業でも細かく分ける事が出来ます。特に機械を使用する場合は行わなければいけない点検等がきちんと行われているのかどうかが重要です。行わないと起こりうる危険が具体的な危険として現れてきます。