ヒューマンエラーの新しい見方と安全への道筋

ヒューマンエラーの新しい見方と安全への道筋

ヒューマンエラーの新しい見方は、人は完璧ではなく、目標に適合しないときもあるというものです。

人は状況判断を誤る場合もあります。後日他の人が後知恵(エラーの後から考えれば分かること)でその誤りを指摘できても、その状況にいた人は、自分が正しいと考え実行しているのです。

新しい見方では、人々を裁くことを避けることになります。ヒューマンエラーを起こした人は気づくべきだった、違う方法が選択できたはずだなどと、非難する段階を越えなければいけません。

航空業界では、パイロットのインシデントレポート(ヒヤリハット)の報告に対して罰則を科していません。罰則を科することで報告が減ることのほうが安全にはマイナスだからです。人はエラーをする生き物という新しい見方が実行されています。

新しい見方では、「なぜ」彼はそのように考え、判断したのかを理解するための調査を行います。考えや判断は、その状況においては意味があったものであり、その状況に立って考えなければ理解できないものです。

トンネルの中で彼が見た光景や、歩いてきたトンネルの中の道のりを見なければ、彼が行った判断が理解できないからです。

ヒューマンエラーについて正しく理解する手がかりは、その時の状況において、人が考え、行動したことがなぜ道理にかなっていたのかを特定することであり、今後そのための考え方を深堀りしていきたいと思います。

ミスをした人々を裁くという間違った罠から逃れ、その代わりに、人々が属するあらゆるシステムにおける問題点を見出すことこそが新しい見方になります。

インシデントレポート(ヒヤリハット)を集めただけになっていませんか?内容を精査しそこからシステムの問題を見つけ出し、改善まで進めましょう。

 

心理学の観点から、ヒューマンエラーについての新しい見方。詳細はこちら。