保護具着用管理責任者について 3(災害事例)

労働災害防止に関する知識(建設業における災害事例)

危険性に起因する災害事例(1)

【事例】
作業着に付着した油汚れを取り除くために作業着にクリーナーを吹きかけました。作業着が渇く前に溶接作業をを行ったところ、飛び散った火花が作業着のクリーナーに引火しやけどを負いました。同様な事例では、クリーナーが付着したまま煙草を吸おうとし、ライターの火が引火し火傷を負った事例があります。

【事故要因】
クリーナーは、機械の部品等の動きが悪いときにスプレーして使用する潤滑油と有機溶剤を含む製品です。
業務用製品の容器には、製品の危険・有害性を示すラベルと簡単な説明、更に使用上の注意書きが印刷されています。
下の図はクリーナーのラベルの例示です。

クリーナーのラベルの例
 
有機溶剤(この例では石油系溶剤と記載)が潤滑油をスプレーしやすくするために入っています。
また、圧力を掛けて適切に製品をスプレーできるようにプロペラントとして、この例ではLPガスが入っています。図の絵表示には1.の「炎」の絵表示があり、この場合には「火気厳禁」が必須です。
ここに示した災害例では、作業着に有機溶剤が付着していることを忘れて、火気を扱う、または火花が発生する作業に関わったために火災が発生しました。
自分の作業に直接関係の無いところまで注意を払うことが求められます。

【対策】
  • 作業着に可燃性・引火性の物質が付着したときには、素早く更衣してから、休憩や次の作業を行います。
  • 作業中に更衣できる作業手順を用意します。
  • 濡れた作業着を火気の近くで乾燥させないでください。

  

危険性に起因する災害事例(2)

塗料のように引火性が高い物質の近くで溶接あるいは溶断作業を行うと火災が発生することはある程度認識されているが、塗装をしているすぐ近くで溶接をして、塗料缶に火花が入って火事になる事例があります。
ウレタンフォーム等からなる発泡プラスチック系の断熱材は可燃物です。火事になったら燃える、というイメージがあっても、建築現場で容易に燃えることは想定しないこともあります。
プラスチック系断熱材の吹付中や断熱材がむき出しになっているときに、上の階で金属を溶断して、その火花がウレタンフォームに飛んで大きな火災となる事例がありました。
建築途中では上層階の火花が下層階に落下して可燃物に接触したり、有機溶剤が引火したりして火災が発生した例があるため、上下階を含めて危険性の有無を確認することが必要です。