熱中症 具体的対処ついて

熱中症による業種別死傷者数において高い割合を占める建設業。
熱中症対策については、他の業種と比べて進んでいる建設業でも熱中症はこのように未だに危険大であることが分かります。

熱中症になってしまったら、どのように対処すればよいかを具体的に見ていきます。

 

まずは涼しい場所へ避難

風通しのよい日陰や、可能であればクーラーが効いている室内へ避難させましょう。

 

次に服を脱がせ、体を冷やす

深部体温(体の中心部の体温)が40℃を超えると全身痙攣(ひきつる)、血液凝固障害(血液が固まらない)などの症状が現れる恐れがありますので、可能な限り早く冷やす必要があります。どれだけ早く体温を下げることができるかにかかっています。衣服を脱がせて、体から熱が逃げるのを助けましょう。

  • 全身に水を掛ける。
  • うちわで扇ぐ、扇風機をつける。
  • 氷があればそれを、直接ではなく袋または手ぬぐいて覆い、首筋、脇の下、太ももの付け根に当てる。

建設現場の熱中症対策 服を脱がせ、体を冷やす

 

水分・塩分の補給

冷たい飲み物は胃の表面で熱を奪います。大量に汗をかいた場合、汗で失われた塩分も適切に補える、スポーツドリンクや経口補水液が最適です。

  • 受け答えがしっかりし、意識がはっきりしているのなら、水を飲ませることが可能です。 しかし、「反応が可笑しい」「答えない」時には、誤って気道に流れ込む可能性があります。
  • 「吐き気を訴える」「吐く」という症状の場合、すでに胃腸の動きが鈍っている証拠です。これらの場合には、水を飲ませないで下さい。

 

医療機関へ搬送する場合の注意点

熱中症の当人は、医師の質問に答えられない場合があります。その場に居合わせ、状況を分かっている人が付き添いましょう。※特に、急激な異常で倒れた等の情報を積極的に伝えることが大切です。

  • 建設現場では、新規入場時に新規入場者が、緊急連絡先・既往症を記入します。きちんと読める字で書かれているか確認が必要です。読めない場合は書き直すなどその場での処置を行いましょう。
  • 既往症(高血圧、糖尿病、心疾患、腎不全精神神経系疾患、皮膚疾患)は医師に伝えることが大切です。
  • 医師は、熱中症の対処はします。しかし、本人の既往症が分からなければ、その病気に対する対処はできません。熱中症は、ご自身が持っている悪い部分を痛めつけると考えて下さい。