過去数回に分けて、作業手順書の作り方、作る練習を行ってきました。如何でしょうか?「こんな感じでいいんだ」「なんとなく分かってきた」のではないでしょうか。作業手順書は自ら行う作業について一度作れば、使用する機械が変わった、材料が変わったなどの変化が無ければ、見直しは3年に1回程度で良いと思います。但し、作業手順書は基本です、環境が大きく異なるような場合はその都度見直しを行なってください。
作業手順書の作成を教える際の注意点をまとめてみます。作業内容を言葉にすることは簡単なようで結構難しいものです。なので、作業員の方々へ教育をする場合は、自分の仕事でなく日常生活の中の動きを見本に練習をして下さい。作業手順書の練習として取り上げた、食べ物のレシピを取り上げてください。カレーライス、みそ汁のレシピを言葉におこして記入することから始めましょう。その他、普段の行動を見本にすることも可能です。自転車の運転、お風呂の入り方など、色々と考えられます。
次には、もっとも基本的な作業をについて、言葉にする練習をしましょう。安全と同様繰り返して行うことが重要です。教育時には、2から3個作ってみましょう。
作業手順書とリスクアセスメント
作業手順書とリスクアセスメントの関係性についてお話しします。
共通点は現場施工が始まる前に作成する点です。作業手順書は実施する作業を誰にでも分かり易く書き出されたものになります。リスクアセスメントは作業の中にある危険を予め探し出し、その危険度を下げ、許容できるリスクの状態にします。リスクアセスメントを行うときによく言われるのが、どこに危険があるかが分かりにくいという点です。作業手順書を作る際に危険のポイントは何処にあるかを考えます。ここにリスクアセスメントの種があるのです。作業手順書を作ることがリスクアセスメントにつながります。